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2023年6月:世界不妊啓発月間強化イベントを開催しました

毎年6月は世界不妊啓発月間です。2023年6月1日から一ヶ月間、強化月間としてイベント、ワークショップを開催しました。

また、啓発シンボル「妊活リボン」をデザインし、広く社会への浸透を目指しています。

妊活はカップルで行なうものですが、男性と女性だけではなく、2つの性に限定されない多様なカップルを表す配色でデザインしました。
また、人々の身体的、精神的、社会的な要因も含めた健康、つまりウェルビーイングを実現し、軽やかに自分らしい人生を歩める社会形成に願いを込めて、風になびくリボンをイメージしました。

基調講演とパネルディスカッション

2023年6月27日(火)14:00から、基調講演及びパネルディスカッションを開催しました。

前半は慶應義塾大学名誉教授 吉村泰典先生から「女性のウェルビーイング実現に向けて」と題した基調講演。

後半は、吉村泰典先生、株式会社Cradle代表取締役社長 スプツニ子!さん、(一社)公共とデザイン共同代表 川地真史さん、NPO法人Fineファウンダー/理事 松本亜樹子さんをお迎えし、皆さんで日本におけるウェルビーイングの実現のために、海外と比較してどのような取り組みが必要になるのか。個人として、企業として、さまざまな視点でディスカッションができました。

基調講演パネルディスカッションの動画を配信中です。ぜひご覧ください。

ワークショップ

働きやすい会社って・・・何!?」ホンネを語り合うワークショップ2023年6月10日(土)10:00-12:30

20代、30代の働く世代(雇用形態は問いません)の皆さんで、不妊治療やそれ以外の健康課題を社会全体でどう解決していくことができるかという社会問題を一緒に考えました。

第一部では、参加者の皆さんがそれぞれ学生時代に想像していた「働く」の概念が、社会人となった今どのように変化してきたかを議論。

第二部では、不妊治療を一つの事例としながら、不妊治療を含む個人のさまざまな健康課題と「働く」をうまく両立させることができるのは、どういった会社なのか議論しました。

「働く」とはどのような価値を感じているのか。どんな環境で働きたいか。漠然としたイメージを言葉にしていきました。

プログラム概要

(1)NPO法人Fineによるプレゼンテーション
  ∟不妊治療と「働く」ことの両立

(2)グループディスカッション
  ∟「学生時代に想像していた「働く」に求めたもの、今考える「働く」に求めるものの違いは何ですか?」
  ∟「働く人の健康課題(不妊治療を含む)と上手に付き合いながら働ける会社制度、環境とは?」

(3)交流会(ワークショップ終了後・任意参加)
  ∟12時半まで各自自由に交流

参加者の皆さんからの声

働くことの価値は、やっぱり人それぞれ。お金が価値ではなくなっていることがわかりました。人とのつながり、自分がやりたいことができる環境、そして自分と誰かの関係の中でお互いに成長できると実感できること。仕事だけじゃない、自分としての希望を叶えられる環境。

誰かと一緒に人生を歩みたい。

お金・・・だけじゃなく、やりがいも感じたい

自分も、自分と関わる人も、それぞれ事情を抱えている・・・抱える可能性がある。だから安心できる関係を構築していきたい。

ママ・パパで不妊治療を振り返るデザインワークショップ2023年6月17日(土)13:00〜15:00

2022年4月から不妊治療にも健康保険が適用され、不妊治療がこれまで以上に身近になりました。しかし不妊、不妊治療から妊娠・出産に至るまでに、多くの年月を重ねているケースが多く、この期間が長いことで身体的負担のみならず、精神的、時間的、経済的負担が大きくなります。

実際に不妊や不妊治療を経験した当事者の皆さんに集まっていただき、今、妊活中・不妊治療中の方など、これから子どもを望むカップルにとっての障壁がひとつでも少なくなるように、皆さんが実際に経験した不妊治療について、その時の気持ち、こんなことに困った、これが嬉しかったなどを話し合い、グラフィックレコーディング(通称:グラレコ)で紐解きました。

プログラム

  • 妊活、不妊治療を受けようと思ったきっかけは?
  • 医療機関受診から不妊治療開始までの気持ち、どんなことが困った?どんなことが嬉しかった?
  • 不妊治療中はどんな気持ちだった?どんなことが困って、何があったらよかったと思う?

ワークショップをやってみて

人それぞれの不妊体験、不妊治療体験。誰一人として同じものがないんです。でもみんなの希望やあの時の気持ちを第三者に表現してもらったら、まるで一人の出来事みたいにつながりができていました。

誰一人として同じ経験はないけど、重なる想い、希望、葛藤した気持ちは、理解しすぎるくらい小こりに染み入ってくるものでした。

不妊や不妊治療については、医療施設だけではなく、企業やメディア、行政など、さまざまな情報を工夫して公開しています。でも当事者がアクセスしやすい仕組みになっているか、そういう情報の作りになっているだろうか・・・

そして、当事者はどんな情報を、どんな基準のもとに情報を求めているのでしょうか。こんな情報がほしいですと誰に、どんなふうに伝えているでしょうか。

何が正解で、何が不正解で・・・ではなく。この結果をこれからさらに咀嚼し、誰に、何を伝えて、環境を変える、一緒に変えていけるような働きかけにつなげていきたいと思いました。

ライフプランとキャリアプランについて考えるワークショップ2023年6月18日(日)10:00-12:30

10代、20代の若い世代の皆さんを対象に、将来いつ結婚をして、何人子どもを持ったり、どのようなキャリアを築いていきたいか、複数の人生を擬似体験することにより、自分の人生にどのようなイベントが起こり得るのか、その時自分は何を希望するのかを体験していただきました。

そのイベントの中には、結婚するのかしないのか、不妊や不妊治療、妊娠、出産、疾病・・・ある日突然当事者になってから情報を収集するのではなく、今から正しい情報を知る、考える、行動するということが必要なのだと、皆さんの気づきがありました。

プログラム

(1)自身が考える理想のライフプラン、キャリアプランの確認

(2)2つの人生プランを疑似体験
  ∟結婚、妊娠、出産、キャリアと人生におけるイベントが多く発生するコース
  ∟現在の日本の平均初婚年齢で結婚した場合の人生コース

(3)コース体験の振り返る
  ∟どのようなことを感じたか、また今後どのような心構えとするのか

(4)今後の行動方針・指針をグループでまとめ、アウトプット

参加者からの感想

  • 今はまだ結婚とか子どもとか考えていないけど、実際に子どもを持った時の疑似体験をしてみて、自分はこんな希望があるな、ちょっと心配だなーという感情に気がつきました
  • 実際に不妊を経験した人の話を聞いて、じゃぁ自分だったどうする?と考えるきっかけになりました
  • まだ先のことですが、具体的に考えてみると、案外自分でも気が付かなかった希望があったんだなと思いました。
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